中山農村歌舞伎は、約300年前の江戸時代中期から、現在に至るまで上演され続けている貴重な郷土芸能です。お伊勢参りへ出かけた島民たちが、上方歌舞伎の場面を描いた絵馬や衣裳を持ち帰り、旅回りの一座や振付師を招いて自分たちで歌舞伎を演じるようになったのが始まり。最盛期の明治・大正期には、島全体で歌舞伎舞台が30以上、役者が約600人いたといわれていますが、中山農村歌舞伎と肥土山農村歌舞伎の2つが現在まで伝承されています。

茅葺き屋根の珍しい舞台

中山農村歌舞伎舞台が行われる舞台は、春日神社の境内にあります。国の重要有形民俗文化財に指定されている茅葺き寄棟造りの舞台は、天保年間以前に建てられたもので、セリや回り舞台などもあります。観覧席は青天井の芝生席で上演は夕方から夜となりますので、敷物と防寒対策をお忘れなく。

上演後日の、ちょっとしたお楽しみ「どぅやぶつ」

中山農村歌舞伎が上演されるのは、毎年10月の第2日曜日。年に一度の上演ですから、タイミングが合わず見られないという場合があるかもしれません。でも、あきらめるのはまだ早いですよ。じつは、公演の後日、桟敷に縄を張り、衣装の虫干し「どぅやぶつ」を行うのです。色とりどりの歌舞伎の衣装がずらりと並ぶさまは、じつに圧巻。中には江戸時代のものもあり、中山農村歌舞伎の歴史の深さを窺い知ることができます。

中山農村歌舞伎をささえる道具たち

桟敷席のわきにある衣装倉には、約720点もの衣装や、かつら、大道具、小道具が納められています。さらに、代々受け継がれてきた歌舞伎台本類が350冊余り! 最も古いものでは、寛政元年(1789)の太鼓や、文政元年(1818)の台本などが残っているそうです。

中山農村歌舞伎の基本情報

2015年2月23日 公開

住所 〒761-4303
香川県小豆郡小豆島町中山1487番地
春日神社

アクセス 神戸淡路鳴門自動車道
(瀬戸中央自動車道)高松道・高松中央ICを経て
高松港へ(鳴門ICより約65km)

期間 毎年10月第2日曜日
17:00頃開演、21:00頃終演予定

お問い合わせ小豆島町教育委員会社会教育課
TEL:0879-82-7015

その他国定重要有形民俗文化財

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