火手(ほて)と呼ばれる松明をかざし、棚田脇にある畦道を歩き稲につく虫を海へと追い払う。「虫送り」は、江戸時代から行われている、稲につく害虫を退治して豊作を願う行事です。中山地区では約300年前から虫送りが行われていましたが、少子高齢化による後継者不足で、長年この行事が途絶えていました。2010年に映画「八日目の蝉」で「虫送り」が再現されたことをきっかけに、2011年から「中山虫送り」は再開されるようになりました。

幻想的な伝統行事

「中山虫送り」のスタートは、小豆島霊場第44番札所である湯船山での神事から始まります。祈祷が終わった後、護摩木の火を篝火に移し、参加者が順にその火を火手(ほて)に灯し、「とーもせ、ともせ」の声ともに標高差約100mの棚田を下っていく。夕暮れ時、一列に畦道をゆく人々が手にした松明の灯りが、オレンジ色の川のように見える。とても幻想的な光景です。

雑節「半夏生」って?

当初「中山虫送り」が行われていたのは、夏至から11日目の「半夏生」の日。この半夏生(はんげしょう)は、季節の移り変わりをつかむために設けられた暦日「雑節」のひとつです。田植えを終える目安となる大切な日であり、田植えを無事に終え、虫よけと豊作を祈願して「虫送り」が行われるようになったといいます。

中山虫送りは誰でも参加可能!

長きにわたり続いていた「中山虫送り」ですが、少子高齢化により一度、行事が途絶えてしまいました。2010年に映画「八日目の蝉」の撮影で再現されたことをきっかけに、2011年より復活。誰もが参加できる伝統行事として、人気を博しています。ただし、火手(ほて)の数に限りがあるので、申し込みはお早めに。

中山虫送りの基本情報

2015年1月22日 公開

場所 香川県小豆郡小豆島町中山地区中山千枚田(小豆島霊場第44番札所湯船山〜中山春日神社)

日程 7月上旬
18:30より湯船山にて祈祷
※当日、先着順で虫送り参加可能(受付17:30〜18:00、集合場所、湯川ダム下公園)

お問い合わせ小豆島町役場商工観光課
TEL : 0879-82-7007

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