小豆島はオリーブの島
小豆島の名産といえば、オリーブが真っ先に思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。それほど世間には「小豆島 = オリーブ」のイメージが定着しています。小豆島では、オリーブの樹が群生する「小豆島オリーブ公園」や「小豆島オリーブ園」といった観光スポットをはじめ、町を歩けば桜並木ならぬ“オリーブ並木”を目にすることもできます。ちなみに小豆島オリーブ園には、小豆島に存在するもっとも古いオリーブの木「オリーブ原木」が貫禄たっぷりに佇んでいます。オリーブは小豆島でさまざまな製品に加工されており、中でもお土産として人気が高いのが、ご存知オリーブオイル。島内に数あるオリーブ屋さんでは、独自のこだわりを詰め込んだオリーブオイルをこぞって販売しています。摘みたてのオリーブ果実を漬け込んだオリーブの新漬けや、オリーブの搾り果実を餌(オリーブ飼料)にしたオリーブ牛も小豆島ならでは。また、オリーブは食用だけでなく美容にもいいとして、さまざまな化粧品やスキンケア・ヘアケアアイテムへと形を変えています。
小豆島オリーブの歴史
オリーブの起源は数万〜数十万年前!
世界におけるオリーブの起源は、発見されたオリーブの葉の化石調査によると、数万〜数十万年前までさかのぼります。モクセイ科の常緑樹であるオリーブは、野生種と栽培種に分かれます。もともと地中海沿岸からアフリカ北岸あたりに自生していた野生種を、5000〜6000年ほど前に栽培するようになったのが栽培種の始まりです。それでは、小豆島でオリーブの栽培がさかんに行われるようになったのは、一体いつ頃からなのでしょうか。ここからは小豆島オリーブの歴史について紐解いてみましょう。
オリーブ栽培のきっかけは、缶詰用の油を搾るため
日本では文久2年、徳川将軍の侍医であった林洞海がフランスから持ち込んだオリーブを、薬用にと育てたのが初の栽培と伝えられています。しかし意外にも、その場所は横須賀でした。小豆島にオリーブが根づいたのは、1908年に香川県の小豆島がオリーブ栽培試験地に指定されて以降のこと。鰯など魚の保存を目的とした醤油と油漬けの缶詰を作る際、オリーブオイルが必要になったことがきっかけでした。同年には三重県、鹿児島県も栽培試験地として名を連ねましたが、オリーブの結実に成功したのは小豆島のオリーブだけでした。小豆島で結実に成功してからは、時を経て香川県、広島県、岡山県にもオリーブ栽培の輪は広がっていきましたが、昭和34年の輸入自由化に伴い大量に輸入された外国産のオリーブオイルやオリーブの塩漬けに押され、国産オリーブは下火に。小豆島とその他一部の地域の特産品として栽培されるのみになりました。しかし、平成に入ってからは健康食品ブームに火がついたこともあり、国産オリーブの良さが見直され、その需要は高まっています。
小豆島オリーブ、試行錯誤の加工の歴史
無事に実をつけた小豆島のオリーブでしたが、いざオリーブオイルを作ろうとするも手引きなどなく、一筋縄ではいきませんでした。今でこそ、オリーブオイルの搾油に必要な機械はそろっていますが、当時は道具も満足に用意できません。そこで、代用品として醤油もろみを圧搾するときに使う麻製の袋にオリーブを入れて搾るなどしていました。醤油の町・小豆島らしい工夫ですよね。 一方、パスタ料理やサラダ、ワインのお供に登場するオリーブの新漬けは、オリーブの島、小豆島だからこそできる収穫・加工技術によって生まれた名産品です。オリーブの新漬けとは、10月上旬〜11月中旬ごろ、黄緑に色づいたオリーブの実を一粒一粒手で摘み取って、うすい食塩水に漬け込んだもの。収穫したばかりの新鮮なオリーブをすぐに漬け込めるのは、まさに栽培地だけの特権です。新漬けの起源は1914年、農学者で園芸家の福羽逸人による緑果塩蔵の試作研究でした。しかし、アメリカから取り寄せた原書に則り、さまざまな方法を試みるも、オリーブの渋抜きはなかなかうまくいきません。オリーブの果実には、虫や鳥などの外敵から身を守るため、渋みがそなわっています。それは、人間にとってもそのままでは食べられないほど。渋抜きの方法もいろいろ試されましたが、やがて苛性ソーダによる方法にたどり着きました。 このように、古くからさまざまな試行錯誤がなされたおかげで、小豆島は今なお優れたオリーブオイルやオリーブ加工品を生み出し続けているのです。
小豆島オリーブに癒される、オリーブ観光スポット
小豆島のオリーブは4種類
世界中に500種以上もあるといわれるオリーブですが、小豆島(香川県)で栽培されているのは「ミッション」「マンザニロ」「ルッカ」「ネバディロ・ブランコ」の4品種。それぞれに産地や用途、栽培方法が少しずつ違います。下記のスポットでは、種類の異なるオリーブを実際に見ることができるので、ぜひ違いを確かめてみてください。
おみやげにおすすめ!小豆島のオリーブ製品
小豆島でオリーブ製品を買うならここ!
オリーブの島・小豆島では、食用に限らずさまざまなオリーブ製品が販売されています。オリーブオイルはもちろん、オリーブそうめんやオリーブ化粧品、オリーブ染めなどバリエーションは豊富。中には小豆島でしか手に入らないアイテムも……。お土産やギフトに喜ばれること間違いなしですよ。
小豆島じゃなくても買える!小豆島の農園がつくった美容オリーブオイル
小豆島の農園が製造・販売を行う美容オリーブオイルもまた、多くのファンを持つ人気アイテム。数ある美容オイルの中でも抜群の保湿力を持つオリーブオイルは、特に乾燥肌の人によろこばれているそうです。「そうはいっても、しょっちゅう小豆島に行けるわけではないし…」そんな方もご安心を!小豆島でオリーブ農園を営む「小豆島ヘルシーランド」では、自社で製造するオリーブ化粧品を主に通信販売で全国に届けています。店頭販売は行っていないため、ギフトにしてもよろこばれそう!販売サイトへは下記ページ内から行くことができますので、チェックしてみては?
小豆島観光を盛り上げるユニークな“オリーブ”
瀬戸内を駆け抜ける小豆島オリーブマラソン
小豆島オリーブマラソン全国大会は、毎年5月に小豆島町で行われるマラソン大会。瀬戸内らしい穏やかな景色の中を走るとあって、ランナーたちから根強い人気を誇ります。マラソンコースは5km、10km、ハーフとあり、坂手港を出発してからマルキン醤油のある醤の郷や『二十四の瞳』ロケ地など、小豆島の観光名所を走り抜けます。アップダウンが少なく、国道や県道を走るとあって、初心者にもやさしいマラソンといえるでしょう。参加賞として地場産品がもらえたり、小豆島名物の手延べそうめんが振る舞われたりといったところも魅力のひとつかもしれません。
オリーブがキュートなゆるキャラに!?
オリーブしまちゃんは、小豆島の観光情報誌「Eedee!」から生まれた小豆島のご当地キャラクター。小豆島を明るく元気にするために生まれてきた王子で、血液型はO型。オリーブキングやりくちゃん、ルッカルッカといった仲間もいます。オリーブの実を模した頭にずんぐり体型が愛らしく、小豆島内のイベント会場にも引っ張りだこの人気者です。ぬいぐるみやステーショナリー、Tシャツなど、さまざまなグッズを販売中!
樹齢1000年、オリーヴ大樹の神秘
「小豆島ヘルシーランド」のオリーヴの森EASTでは、事前に申し込むことで日本唯一、世界でも希少な「オリーヴ大樹」を見ることができます。その樹齢、なんと1000年というから驚き!2011年、遠くスペインのアンダルシア地方から10,000kmもの距離を越えて小豆島にやってきました。オリーブは生命の樹と呼ばれるほどたくましく、この大樹も未だに実を付けます。オリーヴ大樹から発せられる神秘のエネルギーは圧巻。この樹が悠久の時を経て小豆島に根を下ろしていると思うと、感慨深さもひとしおです。
オリーブの名を冠した、観光に便利な路線バス
小豆島の観光に欠かせない、島内を周回する路線バス「小豆島オリーブバス」。土庄港、福田港、草壁港など主要な港をはじめ、オリーブ公園やふるさと村、肥土山に寒霞渓ロープウェイの駅など、オリーブバスを利用すれば小豆島の観光スポットをほぼ網羅することができます。車の免許がなく、レンタカーが運転できない人などは、オリーブバスをかしこく利用するといいかもしれません。ただし、1時間に1本程度と運行本数が少ないので、事前にバス時刻表やバスの運賃をチェックしておくといいでしょう。